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僕達の歩んだ道 2

「協力してくれ」
そうか、そういう理由か。僕は理解した。
二次試験を受けないつもりだったが、一人でも地元の国立大学に合格者を出したい。
その実績づくりに僕は加担することになった。
お世話になった先生の顔を立てる。そんな気持ちだった。
なぜ僕が二次試験を辞退しようとしたのか。
僕の記憶では、それはすでに早稲田の合格が決まっていたからだ。

嬉しくもなんともない、混沌とした時間を過ごすなかで、
僕はあきらかに精神異常をきたしていた。
既に夢は潰えて、出口のない迷路をさまようしかなかった。
食べては吐き、それを繰り返す。全身に慢性的な湿疹ができた。
ただ解決するためには、彼女のやさしい声、一目彼女の姿を見ることが必要だった。

二次試験の日。僕は試験会場にいた。
僕にとって、どうでもよい試験だった。
出題された問題はどれも、赤子の手をひねるように簡単なものだった。
おそらくすべての科目は満点だったのではないかと思う。
後に知ったが、二次試験の成績は受験生のなかで一番よい出来だった。

合格発表の日。
僕は発表会場のキャンパスに行った。
合不を確かめるためではない。彼女に会うためにだ。
でもいくら探しても彼女の姿はなかった。
僕の受験番号があるかどうかだけ見た。
あった。僕は合格していた。
そのとき数人の学生が僕の周り駆け寄って胴上げ、3回ほど宙を舞った。
その胴上げの瞬間、僕の受験戦争は終わった。
僕は彼女との約束を果たした。
でもその代償はとても大きかった。


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コメント

歴史

二人の歴史を垣間見るエピソードですね。
そしてお二人の能力の高さに改めて関心させていただきました^^

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No title

けんさん、早稲田なんですか。。。。
すごい。。。

でもその代償はとても大きかった。

気になります。。。。

No title


こんばんは、

今日始めて書かせていただきます。

以前から読ませてもらっていましたが、素敵なブログですね。

僕達の歩んだ道も小説を読んでいる様な感じがします。

「でもその代償はとても大きかった」という所が気になりますね。

次回も楽しみに待ってます。
今後ともよろしくお願いいたします。


No title

お疲れ様です。国立合格 数を出して評価されますから。スゴいと思います。私立 国立と結果を出して。
リスペクトします。

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ken&はな

Author:ken&はな
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1962年生まれ。現在55歳の仲良し同級生夫婦です

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