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僕達の歩んだ道 3

僕の住む街から予備校へは遠かった。
いや、「街」と呼ぶにふさわしい場所かどうかはさておき、
瀬戸内海に面した風光明媚な場所といえば聞こえはいい。
最寄りの駅までバス。
そのバスが1時間に1本しかないという、東京なら暴動が起きてしまいそうな便の悪さだった。
東京に住んでいると、僕の田舎は同じ日本ではないような、遠い外国の絵空事のように思えてしまう。
僕には選択肢はなかった。全面的に高校の先生達がバックアップしてくれた。
僕専用のサポートチームみたいなものが出来ていた。

「いいか。俺たちがお前を早稲田に入れてやる」
「信じてついてこい」

日によってはバスがなくなるまで僕のために補講をやってくれた。
僕は今でも先生に感謝している。

彼女といえば予備校へ通い、早慶選抜クラスに入って、より実践的な学習の方法ですすめた。
僕たちは土日の二日間だけ図書室かどこか場所を決めて会い、お互いの情報交換の場とした。
とにかく彼女の学力に追いつく。そして一緒に大学へ通うのだ。
たった1年間であったが、僕は命をかけて取り組んだ。
今まで勉強などに真剣に取り組んだことなどなかったので、いろんな意味でそれまでとは別人になっていた。

いつものように情報交換をしているときのこと。
場所は街の中心部にあるマクドナルドだった。
まだ話が途中なのに、彼女はさっとノートを閉じてこう口にした。

「言って」

僕はあたりに漂う雰囲気と彼女の表情から察知した。
とっさに何を言ってほしいのかわかった。
そして彼女が期待する言葉を言った。
好きだよと。
当時の青臭い、まだ少年のあどけなさが残る自分にとってそれが精一杯だった。

「わたしだけ見てて」
そう言って閉じられたノートには、僕の苗字と下は彼女自身の名前が書かれていた。

「ねえ、わたしだけ見ててね」
「いつかわたしをお嫁さんにしてね」

と彼女は言った。

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コメント

No title

けんさん、ドキドキしてはなさんに、
ときめいている様子と、青春時代の純水な
気持ちを表している、ラブロマンスですね。

No title


こんばんは、

多感な青春時代が良く表れされていますね。

大好きだった、はなさんからのその言葉を聞いたら、

びっくりしたし、凄くいい気持ちになったことでしょうね。

羨ましい話です。

No title

青春の思い出ですね~
僕はいい思い出がなくてうらやまし^^
しかし、はなさん若い!

No title

青春の思い出ですね~
僕はいい思い出がなくてうらやまし^^
しかし、はなさん若い!

いいお話

改めて、お二人の歴史を感じる事が出来ました!
それにしてもkenさん、さすが知能レベルがお高いので、これはもうノンフィクションで作家デビューですね^^

アオハルですね~(≧ω≦)

おはようございます

おはようございます。
青春ですね。
もう一度青春したいです。

No title

匂ってきそうな青春。
あの頃に戻りたい。。。。って思っちゃいます。

No title

コメントを頂いた皆様をはじめ、ご覧頂いた皆様、
ありがとうございます。
そうしたことも踏まえて今後もご覧いただければ、単に裸体目的だけではなく、また違った意味でも楽しんでもらえるのではないでしょうか。

キュンキュンするー!

すごくドキドキ
恋愛小説にできると思います

No title

好きな人と一緒に一生懸命勉学に励むことは並大抵のことではないですよ。“わたしだけ見てね、いつかわたしをお嫁さんにしてね”と言ってくれたハナさんをゲットしたケンさん、本当に素敵で素晴らしいです!

No title

こんにちは。ヽ(^o^)丿
いや~青春ですね(#^.^#)
素敵な青年期をお過ごしですね(#^.^#)
甘酸っぱい感じ!

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プロフィール

ken&はな

Author:ken&はな
はじめまして
1962年生まれ。現在55歳の仲良し同級生夫婦です

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