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コスモスの花たちと、彼女との約束

何十年も昔、遥か彼方から。
僕たちはここにいた。この場所だった。
僕の家の裏には地平線の先まで、一面コスモスが咲いている。
その先に穏やかに連なる山々が見える。
特に朝露に濡れた花が陽の光に照らされると、キラキラ輝き風に揺られ
その景色は今もなお昔と変わらず絶景だ。

僕たちはお弁当を一緒に食べた。
彼女が作ってくれたお弁当。
しゃがむと身体が隠れて、ちょっとした隠れんぼ遊びができた。
そこで僕たちは将来のことを話し合った。
コスモスの花達に囲まれて、僕たちの未来を約束した。

「どこの学部にしたの」
「僕は政治経済学部と法学部。ふたつ受験するよ。」
「わたしは文学部と法学部」
「東大はどうするの」
「いや、受けない」
そんな会話をした。
僕は早稲田に決めいたし、スベリどめに岡山大学を受験することにしていた。
しかし、先生は東京大学への進学をしきりにすすめていた。
東大も十分に合格する学力がある。勿体無い。
それが先生達の意見だった。
今はどうかわからないが、僕が受験した学部は当時、東京大学より偏差値が高く、
日本一難関な大学受験だと言われていた。
相手に不足はない。そして何より僕は彼女と早稲田に行くと約束していた。
僕の記憶が正しければ、200人・・いや300人受験して、合格するのは5人程度だったと思う。
しかし、僕には何の根拠もない自信があった。
進学校でもなんでもない。無名の、どちらかというと、大学へは進学をせず、
卒業後は家の農業を手伝うことが多数派だった学校の生徒であったから、
うん。それこそ東京大学へ進学しようものなら・・・。
まさに学校創立いらいの快挙。校長の言うとおりだ。
でも僕は東大より難しい受験を挑んでいるのに、
それに早稲田だって、絶対に合格するという保証などどこにもない。そう思っていた。

「僕の夢、うん、君と一緒に早稲田へ行くことさ」

「私はね・・夢はね・・」
「ねえ、私をお嫁さんにしてね」

嬉しかった。
でも、今はそんなこと考えちゃいけない。
意識付けがズレてくる。そう思った。
とにかく目前にある目標をクリアーすることだけに集中しなくては・・・。

コスモスって見た目よりずっと生命力があるんだよ
溢れタネで、勝手に翌年も花が咲くんだ。
台風で倒れてしまっても、いつの間にかまた茎がまっすぐ伸びてきて、
ちゃんと花が咲くんだ。

「東京にはきっとコスモスは咲いてない。
大都会だろ。こんなに広い土地などないさ。
ビルがいっぱいで、電車がたくさん走ってる。」

「東京の地下鉄ってすごいね。
テレビで見たわ
人がたくさん乗ってた」

僕たちの夢の語り合い。約束。
コスモスの花たちが証人になった。

「今度は私が運転手よ」
そう言って来た道をリアカーに乗って、今度は僕が荷台にのり、彼女が引いた。
「しゅしゅっぽぽ~ しゅぱーつ進行!」と言って、彼女は楽しそうだった。

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コメント

No title

こんばんは。
Kenさんとはなさんの過去の高校時代の話が伺えて、光栄です。素敵な思い出ですね。(^^♪

私も高校時代の甘酸っぱい思い出がよみがえってきました。ただ、Kenさんとの違いは勉強より部活と恋愛に勤しんでいました…。

おはようございます

おはようございます。
まさに青春時代です。
若かりし頃の話、今もお二人が仲良くされている事、羨ましい限りです。
本当に奥様の大好きなんですね、
。最高の御夫婦です!

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

ねぇ、私をお嫁さんにしてね
まだ幼いはなさんもケンさんと結婚したいと思うほど大好きだったのですね…
約40年前のコスモス畑の情景も、二人が交わした一語一句もそのまま全て記憶されている。その後のことを知ってるだけに切なくなります。

でも、時を経て再会されて、今はこうして二度と離れることのない夫婦になられた。
人生何が起きるかわかりませんね。

素敵なお話をありがとうございます。

No title

ふなべさん
いつもご覧頂き、コメントも・・ありがとうございます。
高校時代こそが私の人生の出発点であり、転換点でありました。
基本ベースはその時のまま。

No title

あき さん
はい(^-^)/ おっしゃるとーり、妻が大好きなんです^^

No title

とも さん
多感な時期ですからね。
覚えていますよ。
まだ半分、あどけなさが残る僕だっだけど、
あの時から命懸けで彼女を愛していました。

No title

すごく素敵な思いでですね。
思い出しちゃうだけでドキドキしますね。

No title

いい高校生活でしたね。
私はどちらかというとのんびりになってしまいました。在学中は、生徒はみんな国立大が目標になってましたね。浪人して私学の良さなんかを自覚して、東京へ。
同窓会などで、昔の話をすると、彼女がいても頑張った奴、彼女と別れて頑張った奴、様々です。
どうしても早稲田に行くと言い張ってた奴、卒業以来会ってない、どうなったか聞いてみたい。
前記事もありこんな感想になりました。

No title

勉学とハナさんとの恋、どちらも熱中し、これ以上ない、いい青春してたんですね~ なんか映画になりそうですね、写真(コスモス畑)もイイですね~

こんばんは。

大自然の中の奥さまも良いですね。花畑に咲く一輪の花、見たいな、最高ですね。

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プロフィール

ken&はな

Author:ken&はな
はじめまして
1962年生まれ。現在57歳の仲良し同級生夫婦です

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