フィンランドからの贈り物

一度目にこの話がきたとき、その値段に驚き、
到底手に入れることは出来ないとあきらめてしまったもの。
しかし、一目惚れしてしまってからは、あの時決断しなかったことを後悔する日々だった。
だから再びこの話が舞い込んできたときは躊躇しなかった。

我が家にフィンランドから照明器具が届いた。
これは20世紀初め、フィンランドの建築家が作った照明器具。
一枚の真鍮から作られて、手が震えるほどに完璧な手触りだ。
内部は白に塗装されていて、反射光がほどよく柔らかく、
スリットから漏れる光は、なんとも味わいのある幻想的な陰影を演出させている。

これは1937年のパリ万博に出典されていた作品で、
その由来もあってか、僕にとっては憧れのものだった。
その夢か幻か、数々の歴史を越えて僕の手に入った。

こんにちは。
はじめまして、これからどうぞよろしく。
まさにそんな心境だ。